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「電源/GNDの強化」の観点から、基板設計におけるノイズ対策

  • 執筆者の写真: 株式会社グロース
    株式会社グロース
  • 2025年11月25日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年11月26日


詳細

電源/GNDの強化 (電源種類、電圧、電流、変動、距離に応じた配線幅/ビア数の決定、GNDの強化)

該当項目

DDR5、LPDDR5 ノイズ発生源:スイッチング電源、AC/DC、DC/DCコンバータ、 インバータ、モータードライバー、発振回路 等 大電流基板大電流基板 EMI・EMS

ICの低電圧大電流化、信号の高速化が進んでおり、これまで以上に、ノイズ抑制の面から電源/GNDのケアが求められています。

EMI・EMS、電圧降下、熱(配線温度上昇、放熱)の面、ノイズ発生源となり得る電源回路、モータードライバー回路、発振回路等のノイズ抑制の面から、電源及びGNDの配線には注意が必要です。

ここでは、「電源/GNDの強化」の観点から、基板設計におけるノイズ対策の紹介を行います。


RF-IC 電源/GNDレイアウト
RF-IC 電源/GNDレイアウト
モータードライバー 電源/GNDレイアウト
モータードライバー 電源/GNDレイアウト

【配線温度上昇、放熱 】


熱的には、配線幅はよく知られている 1mm/1A(銅箔厚35um時)以上 が基準となり、可能な限り、マージンをみて2倍を目標とします。

また、層構成を最適化する、必要に応じて銅箔厚を厚くする、複数層で配線する等の対応を行います。

層間ビアについては、ビア内のメッキ厚がばらつきで薄くなる前提で、ビア径と最低個数を決めます。

但し、あくまでも配線温度上昇の観点からの目安ですので、最低限の目標として、考える必要があります。 「配線が細い=配線のインピーダンスが高い」ですので、配線距離が長いほど電圧降下が大きく、負荷変動に応じて、電圧変動が発生することを考慮して、必要なケアを行う必要があります。



【電源種類】


RF等アナログ用、ドライブ用、PLL用、コア用、I/O用...等、一つのICでも複数種類、基板全体として多数の用途の電源種類が存在することが多くあります。

十分に仕様に入る安定した電源供給とGNDレイアウトであることは共通ですが、電源種類によって、最適なレイアウトを行う必要があります。

ノイズや変動が特性に直結する電源は、最大限のノイズ対策をする必要があり、品質の悪化が動作不良につながる電源は、品質を確保する対策をする必要があります。

相互の干渉を抑制することも重要です。

干渉の抑制は、電源種類によって電源供給元から経路を分岐させることで変動を共有させないようにする抑制と、GNDシールドでの物理的な抑制などで実現しますが、回路やレイアウトの制約とバランスをとって最適化する必要があります。

また、電源供給元についても、ノイズ発生源となり得るスイッチング電源、DC/DCコンバータ、モータードライバー回路、発振回路等は、個別のレイアウト最適化が必要となりますが、別途、「ノイズ発生源個々の対策」の項目詳細で紹介したいと思います。


FPGA&DDR 電源/GNDレイアウト
FPGA&DDR 電源/GNDレイアウト
電源回路 レイアウト
電源回路 レイアウト

【GNDの重要性】


電源から供給された電流は、全てがリターンとしてGNDに流れますので、電源とGNDは対で考えて、GNDも電源以上の強さにする必要があります。

EMI・EMS的にも、GNDの強さがノイズレベル全体の低減につながりますので、強くすることが重要となります。

但し、ただ強固であれば良いというわけではなく、DC/DCコンバータやドライバー回路等のノイジーなGNDは、可能な限り他回路に影響が与えないように大元に戻す。

IC用発振回路のGNDは、分離してICに戻してから全体の強いGNDと接続する。

信号系のGNDとパワー系のGNDを分けて配線する。

大電流のリターン経路を意識しながらGNDを引き回す。

回路によっては、部分的に一点接地とする。

など、全体の部品配置も含めて工夫が必要です。

気を付けなければいけないのは、理論はあくまでも理論であることです。

上記のような内容を全て対応する為に、スリットを入れて極端に経路を限定するようなレイアウトにするよりも、結局はベタGNDに近い方が、特性上、EMI・EMS上良いことが多いです。

大事なことは、理想を知り基本を守ったうえで、取捨選択を行なうことだと考えます。



【電圧降下、及びDC解析と負荷変動】


ICは、電源電圧が低いほど電圧低下の許容範囲が狭くなります。

また、電流が大きければ電圧降下が大きくなりますので、より注意が必要となります。

電圧が許容範囲内であれば良いというケースばかりではありませんので、最低限の判断基準となりますが、電源供給元の出力電圧範囲、配線&ビアの抵抗(銅の電気抵抗、銅箔厚、配線幅、配線長)、電流、電源ラインの部品定格から、各部のmin電圧を算出することで、全ての仕様を満たすことを保証する必要があります。

電流が微小であったり、電流に対して十分な配線幅でレイアウトしていて配線距離が短いような場合は、改めて計算を行わずに判断を行い、単純計算では電圧降下量の算出が難しい場合、高い精度での把握と保証が求められる場合は、DC解析のIRドロップにより判断を行います。


DC解析(IRドロップ)
DC解析(IRドロップ)

以上、概要ではありますが、

「電源/GNDの強化」の観点から、基板設計におけるノイズ対策の紹介を行いました。






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