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「インピーダンスマッチングと等長配線」の観点から、基板設計におけるノイズ対策

  • 執筆者の写真: 株式会社グロース
    株式会社グロース
  • 2025年11月26日
  • 読了時間: 5分

詳細

インピーダンスマッチングと等長配線 (層構成、反射、層間移動とビア、スタブ、スキュー、伝搬遅延、ミアンダ配線のクリアランスと形状)

該当項目

DDR5、LPDDR5 高速インターフェイス:PCIe GEN6(PAM4)、Ethernet、            V-by-One HS (SerDes)、            USB4、Thunderbolt5 等

DDR5、LPDDR5、高速インターフェイス:PCIe GEN6(PAM4)、Ethernet、V-by-One HS (SerDes)、USB4、Thunderbolt5等の各規格において高速化が進んでおり、これまで以上に、ノイズ発生源としてのノイズ抑制、ノイズ混入の影響による特性悪化の低減など、伝送線路特性のケアが求められています。

ここでは、「インピーダンスマッチングと等長配線」の観点から、基板設計におけるノイズ対策の紹介を行います。


DDR レイアウト
DDR レイアウト

DDR SIM
DDR SIM

PAM4 レイアウト
PAM4 レイアウト

【インピーダンスマッチング】


信号の反射はノイズの一因となりますので、反射を抑制する為に、高帯域まで対応した正確な終端とインピーダンス制御 を行う必要があります。

正確なインピーダンス制御を行う為に、まず、周波数に応じた基材の選定と、極端なスタブが無く適切なL/Sになるような層構成とレイアウトの検討を行います。

基材の選定において、高帯域まで信号損失をいかに抑えるか、安定したインピーダンスであるかが重要な要素です。

基板で発生する信号損失として、大別すると、誘電損失と導体損失があります。

誘電損失は、比誘電率(Dk、εr)、誘電正接(Df、tanδ)、周波数によって大きさが決まります。 高周波基板では、比誘電率、誘電正接が低く、周波数や温度変化、吸湿などによる影響を受け難く安定している基材を選定する必要があります。

比誘電率は、分極のし易さを表す数値で、簡単に言えば、配線の静電容量の大きさを表す数値となります。比誘電率が小さいほど、同じ特性インピーダンス値で配線幅を太くできるメリットがあります。 誘電正接は、誘電体内での電気エネルギー損失(交流電場においてエネルギーの一部が熱となってしまう)の度合いを表す数値で、簡単に言えば、電気の通し易さを表す数値となります。

導体損失は、直流抵抗と、表皮効果による損失によって大きさが決まります。 表皮効果は、基板の配線に高周波電流を流したときに、その導体の表面近くにだけ電流が集中する現象で、周波数が高いほど顕著となります。

導体の表面に凹凸が無いほど高周波的には良いのですが、基板製造時、内層は銅箔と誘電体(プリプレグ)の接合が良くなるように粗化処理を施す必要があります。 この相反する内容を理解したうえで、高周波用基材の選定、パターンレイアウト、製造を行う必要があります。 スタブについては、貫通基板で内層で配線するようなケースでは、バックドリルを活用することで軽減します。 L/Sは、インピーダンス値、配線層や部品パッドを含む各部のレイアウト、コプレナー有無、希望する線幅などを考慮して決定します。


層構成
層構成

【インピーダンスの乱れ】


配線において、部品パッド部、ビア部などでインピーダンスの乱れが発生します。

各層のGNDとのクリアランス調整、ランドレスビア、アンチパッド等により、インピーダンスの乱れを最小限にする必要があります。

アンチパッドは、例えば、L1配線時、該当箇所のみL2のGNDを抜いてL3をリファレンスGNDにすることでインピーダンスを上げる(規定値通りにする、又は近付ける)手法ですが、主にインピーダンスマッチングを行った線幅よりも太い部品パッドや層間ビアで必要となります。

ビア部は、計算や基板シミュレーターでは合わせ込めない為、可能な限り正確な対応を行うには電磁界解析(TDR解析)が必要となります。



PCIe レイアウト
PCIe レイアウト

UFS レイアウト
UFS レイアウト

UFS SIM
UFS SIM


【等長配線】


差動ペア間やレーン毎に等長配線が必要です。まず、等長の規格値を明確にします。

規格、信号速度、使用状況によって規格値が異なりますが、規格値を明確に設定できない場合や、完全な等長配線が好ましい場合が多くあります。

その場合、基板サイズや全体レイアウトへの影響、実現する為のレイアウト時間が大きくないのであれば、線長差0.000mmを目指すことになります。

等長配線の実現は、スペースがあれば緩やかでクロストークが限りなく小さい形状(他信号、自身の信号と間隔3W以上)の迂回配線がベストですが、ミアンダ配線が避けられないケースが多々あります。 ミアンダ配線は、形状、間隔、深さによっては、放射ノイズや信号劣化、周囲及び自身へのクロストークが発生します。 レイアウト状況によりますがミアンダ配線は、急峻で極端な形状、近い線間距離は避ける必要があります。

差動ペア間のスキューを無くす、又は軽減する迂回配線も場所と形状に注意が必要です。 最終的に等長になるとしても、スキューを持った状態が長い距離に及ぶと、差動信号本来のメリットが減り信号品質に影響を与えます。 スキューが発生する前後ですぐに解消することが基本ですが、レイアウト全体のバランスを考えて、迂回配線を入れるか、入れる場合はどこで入れるか判断する必要があります。 形状は、細かいミアンダ配線ではなく、信号ストレスが小さい山状の蛇行配線を基本とします。

表層と内層では信号の伝搬速度が異なる為、等長の規格値次第で等遅延配線にする必要があります。 比誘電率、線幅、層間厚が、実効比誘電率と伝搬速度のパラメータですが、基板単体で遅延量まで保証することは困難な為、計算値を元に合わせ込むのが一般的です。 可能な限り、同一グループは同一層でレイアウトすることで、煩雑性と信号劣化の低減を目指します。


DDR レイアウト
DDR レイアウト
シリアル通信 レイアウト
シリアル通信 レイアウト

以上、概要ではありますが、

「インピーダンスマッチングと等長配線」の観点から、基板設計におけるノイズ対策の紹介を行いました。






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